はじめに
全アルトコイン派のみなさんこんにちは。「ビットコインよりアルトコインの方が優秀じゃんね」と思ってアルト買ったら急に伸び悩みはじめることに自信のあるエマです。
ビットコインのドミナンス(仮想通貨全体の時価総額でビットコインの時価総額を割った値)は、実はせいぜい40%とかだったりするので、仮想通貨を考える上でアルトコインの考察は外せません。
ということで前回に引き続き、アルトコインの王イーサリアムで天井掴みしてしまった場合どれだけ辛い思いをしなくてはいけないかを検証したいと思います。
すなわち、もしETHをATH(All Time High:史上最高値)で掴んでしまったら、いったい何日待てば損失という名の苦しみから解放されてきたのか、そしてどれだけの未確定損失に目をつむらなければいけなかったのか調べたいと思います。
実際は厳密にATHの日に掴めるような人は中々いないと思いますが、最悪の場合を想定しておくと気が楽になるはずというわけです。
検証
検証条件
- 検証に用いる日足データはCryptoQuantとBinanceから得たものを用いることとする。
- 計測期間は2015年8月7日から2021年12月31日までとする。
- ATHから次のATHが訪れるまでの日数をperiodとする。(例えば1月1日にATHで次の日がATHだったらperiodは1となる。
- ATHから次のATHが訪れる前日までの区間におけるもっとも低い値段をその区間における最高値で割った値を1から引いたものをdrawdownとする。(例えば区間における最高値が100、最低値が30だった場合はdrawdownが1-30/100=0.7となる。
検証結果
periodの結果は以下のグラフのようになりました。(クリックで拡大できます。)

青棒の高さがperiodを表します。periodが100日以上となった回数は2015年-2021年で5回もあるようです。ビットコインの場合は2013-2021年で4回しかなかったので、比較的イーサリアムの方が100日以上苦しむ可能性は高そうです。
続いて、これにdrawdownも表示したグラフは以下のようになりました。drawdownはオレンジの折れ線で、右の軸で値を読みます。

ビットコインの場合もそうでしたが、periodが突き出ているものについては、drawdownも大きくなるりました。すなわち、ATHから次のATHまでの期間が長ければ長いほど、ATHからの下落率が大きくなるということはイーサリアムについても当てはまりました。
具体的な数字を出すと、
- 2015年8月7日の次のATHまでの期間は182日で、drawdownが86.3%
- 2016年6月17日の次のATHまでの期間は268日で、drawdownが73.2%
- 2017年6月12日の次のATHまでの期間は164日で、drawdownが99.8%
- 2018年1月13日の次のATHまでの期間は1108日で、drawdownが94.4%
- 2021年5月12日の次のATHまでの期間は170日で、drawdownが61.1%
という感じです。
2017年6月12日の期間でdrawdownが99.8%という数値には驚きです。ATHの$412.5から9日後に$0.41まで下がったようです。ビットコインの調査のときも、2013年4月10日の期間でのdrawdownが99.9%という数字はあったのですが、2017年のイーサリアムにもこんなスキャムみたいな下げ方があったようです。
まあもう令和の時代だし、こんなスキャム下げ切り捨ててもいいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、このニュース:Bitcoin Price Flash Crash on Binance.US Attributed to Trader Algorithm Bugを見てください。

このニュースの要旨は、2021年10月21日にビットコインの価格が$65000から$8200まで僅か1分で落ちた、です。下げ幅は実に87.7%です。起きた取引所はBinance.USなので普通に大手です。
記事によれば、この飛んでもない下げの原因は機関投資家の投資アルゴリズムのバグによって起きたとのことです。つまり金持ってる投資家がちょっと手を滑らせれば、令和の時代においても90%近く下がってしまうのです。
1分後にはほぼ価格が戻っているので、レバレッジとか逆指値使ってたらブチギレ案件ですね。
さて、話を戻します。イーサリアムをATHで掴んでしまうと、95%くらいのdrawdownが2回あったということですね。アルトコインはビットコインよりもボラティリティが大きいので、長期的に保有するのであればこれくらいの下落に耐えなければならないようです。
そして最悪1000日以上次のATHまでかかります。最悪のケースはそうだとして、periodのパレート図を見てみましょう。

パレート図は頻度分布とかを見たいときに使われるグラフです。青棒が特定の区間でのperiodの個数を表します。例えば、左端下では[1,101]という文字がありますが、このとき青棒は1以上101未満のperiodの個数が103個あることを意味します。
そして、その上にオレンジの折れ線が見えますが、その区間までの個数の合計を全体の個数で割ったものを表します。左端のオレンジの折れ線の数値は103/108なので、全体の95%ということですね。
残り5%は、101以上201未満、201以上301未満、1101以上1201未満の区間に存在しています。先ほど具体的な数字を見た、periodが突出しているものですね。
このパレート図のデータをそのまま読み取ると、イーサリアムをATHで買っても次のATHまでの期間は、95%の確率で100日以内になんとかなるってことのようです。そして100日でダメなら300日コース、300日でダメなら1000日コースって感じでしょうか。
まとめ
今回の検証結果から考えるに、イーサリアムをATHで買った時の最悪のケースは、94.8%のdrawdownで、1000日以上ふて寝するしかない状況です。長期保有にはレバレッジはまったく向きませんね。
ちなみに、ビットコインのときは1180日が最も長いperiodでしたが、イーサリアムは1108日なので、どっちをATHで買ったにしても最悪3年ぐらいの待たなきゃいけないようです。
執筆現在2021年11月10日のATHから既に84日経過しています。これは検証したperiodで既に7番目の記録です。1000日コースの雰囲気が漂って参りました。
ということでまた3年後会いましょう。



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